サラリーマンを取り巻く環境は今後大きく変化する。
LIFE SHIFT(ライフシフト)という著書が話題になっている。今後、人々が健康的に100年も生きる社会が到来する。そのため、今のライフスタイル、社会構造は大きく変化するというのだ。これまで人々が描いてきた人生設計は通用しなくなる。100年時代の人生戦略が必要になる。
また、人工知能(AI/artificial intelligence)とロボットの発達により多くの職業が奪われると言われている。現在の仕事の約50%は人間ではなくロボットがこなすようになる。
こんな世界で我々はどのような人生設計、人生戦略を立てるべきなのだろうか?
65歳で定年は無理?隠居生活は夢となる?
昭和60年頃(西暦で言うと1985年)までは定年は55歳だった。しかし、現在は定年を65歳とする企業が増えている。この30年程度で定年が10年も伸びているのだ。
それもそのはず、平均寿命も約70歳から80歳に伸びているのだから。長く生きるのであれば、それだけ長く働き稼ぎ続けねばならない。本当に嫌な世の中になったものである。そんなに長生きするより、俺は早くサラリーマンを引退して隠居生活したいのだが・・・。
ということは、俺が定年を迎えるのはいつになるのだろう?
人生100年時代が到来するということは、男性の平均寿命が今よりも20年伸びることになる。ってことは、定年も20年伸びるのだろうか?つまり、俺が年老いて定年し、隠居生活が送れる様になるのは80歳ということになる・・・。
80歳って・・・。
まだ40年以上も働かなければならないなんて、考えただけで気が遠くなり吐き気さえする。
隠居生活なんてまだまだ遠き先の出来事だな。何となく60歳で定年できると思ってたから、ショックがデカすぎる。
60歳を過ぎて俺はどんな仕事をするのだろう?
いくら人が健康で長生きすると言っても、若者と比べれば物覚えは悪いし、最新の技術にはついていけないし、体力も衰え無理が効かなくなるだろう。また、仕事に打ち込む気力や熱意も薄れるはず。
そんな状態で一体どんな仕事をするのだろうか?
今後、人口減少に伴い仕事も減るだろう。テクノロジーの発展により、知的労働も肉体労働もロボットやコンピューターに奪われるし、残った数少ない人間向けの仕事は若者と奪い合うことになる。
どう考えても分が悪い。
今なら、定年間際のおじいちゃん社員にはそれ程負荷の高いくない軽い仕事が与えられる。しかし、これからの時代はそんな温情はなくなる。日本独自の終身雇用制は崩壊し、海外のような実力主義が広まるはずだからだ。
若い肉体と柔軟な頭脳を持つ若者。それに、ディープラーニングでどんどん賢くなる人工知能を備え、いくら働いても効率が落ちずに文句一つ言わないロボットと実力勝負して勝てるわけがない・・・。
将来ってか、今でも労働市場で勝てる気がしない・・・
数十年先を想像(妄想)して暗い気分になってきたが、そもそも現在環境で現在の俺ならば労働市場で勝ち抜くことができるのだろうか?
例えば、明日リストラされたとしよう。アラフォーの俺は再就職して今と同じ様なポジション、年収を稼ぎ出すことができるのか?
と考えてもやっぱり自信がない、勝算はない。
今の俺の知識とスキルは現在勤務している会社でしか役に立たないのだ。会社独自のルールを熟知し、社内で構築した人脈・ネットワークを駆使することで、人より少し高いパフォーマンスを出すことが出来ている。
しかし、新しい会社に転職すれば、今まで蓄えた知識もネットワークもほぼ役に立たなくなる。俺が習得してきた知識とスキルは汎用性が無いのだ。
もちろん、仕事・プロジェクトの進め方、部下の使い方、成果追求のための行動など、仕事をする上での基本的スキルはどの企業だろうがどの業界だろうが活かすことはできるだろう。
しかし、そんなもの多くのアラフォーが持っているスキルである。別に特殊なスキルでも何でも無い。実際、リストラされた40代、50代の実体験をインターネットで検索してみるとよく分かる。
大企業の部長を勤めたようなエリートでさえ再就職には苦戦しているし、転職が成功したとしても前職とは比べ物にならない様なレベルの低い仕事をしていたり、年収も半減したりしている。転職が成功するなんてほんの一握りの選ばれし者だ。
また、こんな例もある。一流の家電メーカーで商品開発をしていた技術職の人がリストラされたが、転職活動が上手く行っていない。技術職、つまり手に職を持っているにも関わらず、転職で役に立たないのだ。
40代を超えてしまうと、自分が納得する職を手にことはかなり難易度が高い。今でさえこんな状況なのに、将来80歳になるまで働き続けるなんて本当に可能なのだろうか?
人生設計どうすればいいの?・・・
どこをどう考えても、明るい未来は見えない。
しかし、本当に人生100年時代が到来するのであれば、何かしらの人生戦略を練らないとお先真っ暗。下流老人になることが決定してしまう。
下流老人にならないための方法は2つ。1つ目はやっぱり70歳を超えても働いて収入を得ること。2つ目は100歳まで生活するための貯金をすること。
ってことで、2つ目について少し考えてみる
65歳で定年し100歳まで生きるということは35年間生活する為の貯金が必要となる。現在、老後の平均的な支出は約22万円と言われているので、22万円×12ヶ月×35年=約9,300万円。
年金を考慮せずに考えると、何と1億近く必要なことになる。65歳までに1億円貯めるなんて、普通のサラリーマンでは無理だな・・・。
将来、年金がもらえるかどうか分からないが、仮に月15万円程年金がもらえるとしたらどうだろうか?70歳から年金支給されると仮定すると、15万円×12ヶ月×30年=5,400万円となる。
よって、定年時に5000万円の貯金があれば働かずに生きていく事ができそうだ。
退職金で2000万円もらえるとすれば、自力で3000万円の貯金が必要となる。この程度ならなんとか実現できそうだな。
リストラという最大のリスクに対する対策が必要だ
ってことで、しっかり貯金を頑張れば下流老人にならず、寿命をまっとうするまで最低限の生活はできそうな気がしてきた。
ただし、最大のリスクはやはりリストラである。
先程の計算、つまり年金を月15万円受取り、退職金を2千万円もらい、定年までに3千万円貯金するというのは、現在の会社で65歳まで働き続けることが前提となっている。しかし、終身雇用崩壊がすぐそこまで近づいているこの日本で、定年まで勤め上げることが可能なのだろうか・・・。それは、俺次第なのだろうがあまり自信がない。
実際、この数年間、日本を代表する多くの大企業が大リストラを行うニュースが沢山流れている。
また、日本政府も働き方改革と称して、副業を推進したりと働き方の多様化を勧めている。つまり、労働力の流動性を高めようとしている。今後、日本もアメリカのように転職が当たり前の様になると思われる。
実力主義が当たり前な海外においては、社会人も常にスキルアップを図っていると聞く。実際、社会人になって大学へ通う人の比率は日本よりも遥かに高いらしい。
常に自己啓発を行い、スキルを磨き、自分の市場価値を高めているからこそ海外では転職が当たり前なのだろう。しかし、今の日本にはそんな風潮は無い。実際、俺はどこに行っても通用するようなスキルの取得なんてしていないし・・・。
経営学やマーケティングの本は読むが、講義なんて受けたこ無いし、人に証明できるような資格も持っていない。今後、転職が当たり前になるのであれば、資格などで客観的に自分のスキル・市場価値を示す物が必要になるのだろう。
と言っても、何をすれば良いのやら・・・。
グローバル化が進むのは避けられない事実なので、英会話でも学んでTOEFL・TOEICでも受けとくのが一番潰しが効くかな。それより、今の会社でリストラされない地位を確立するのが確実だろうか。はたまた、自分でビジネスを起こす為に副業でもして様々な経験を積んどくべきか・・・。
定年まで勤め上げれば気楽な隠居生活が送れるオヤジ世代が羨ましいよ。でも、彼らは彼らで貧しい幼少期を苦労して経験しているからしょうがないか・・・。
俺たちは幼少期に何も苦労してこなかった分、年老いて苦労するんだろうな。
さて、今後のサバイバル戦略を真剣に考えるかな。
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