日々の消費活動ですっかり定着してしまったポイント。
お店で買物をする際、「ポイントカードはお持ちですか?」と店員さんに聞かれる場面は多い。そして、その声かけに対してポイントカードを提示する消費者が大多数を占めているんじゃないかな。
さて、そんなポイントカードを運用するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が、自社サービスであるTカードの利用者データの販売を本格化させるというニュースが賛否を呼んでいる。
議論のポイントは以下のような感じ。
- 自分の購買行動・個人情報で勝手に商売するな。
- 自分の購買行動・個人情報が第三者に提供されるのは気持ちが悪い。不愉快だ。
- 自分が同意していない企業にデータが連携されるのは納得いかない。
- 規約に書いてあると言われても、規約に同意しないとカード発行してくれないからでありこれは強制されているもので有効ではない。
- 約款に書いてあるから問題ないという理論はおかしい。利用者に理解させる努力をすべき。
- マーケティングを目的にして、経済を回す仕組みなら、今の日本には必要なんじゃないかとおもいます。
- etc・・・
否定的意見が圧倒的に多い。
それだけ個人情報にみんな敏感なんだね。
これらの意見については分からなくはないのだが、不思議に思うことがある。「Tカードの利用者たちは、なぜ自分がポイントを貰えて得できるのか?を考えたことはないのだろうか?」と。
そもそも、Tカードでポイントを貰えるのは、購買履歴を活用して企業が商品開発に活用したり、マーケティングに利用するから。つまり、その対価としてポイントをもらえているわけですよね?
だったら、Tカードを申し込む時、またはTカードを使うたびにその覚悟は出来てるんじゃないの?
こうやって否定的意見を言っている人たちって、「自分はなぜポイントがもらえてるか?」を理解してないのではないかと感じてしまう。。。
消費者は勉強しよう。企業はマーケティングを強化しよう。
そもそも、賛否を呼んでいるニュース概要は以下の通り。
- カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が、Tカード利用者の個人データ販売を本格化させる。使われるのは、全国5300の提携企業から集めた私たちの利用履歴。
- CCC側は「規約で説明し、利用者の同意は得ている」というが、自分が「同意」したと気づいている人はどのくらいいるのか、また、そのような「同意」は有効なのだろうか。有識者から疑問の声も出ている。
- Tカード利用者は現在約7000万人。30代では同世代の日本人の81・4%に上る。TSUTAYAのほか、コンビニ、ドラッグストア、ガソリンスタンド、家電量販店やネットショップなど約5300社の15万店舗でポイントをためたり使ったりすることができる。
- CCCは、こうした提携企業から、利用者がいつ、どこで、何に、いくら使ったかの履歴を長期にわたり入手している。さらに機械学習でこれらの情報を一人一人プロファイリング(分析)し、「浪費タイプ」「助言信用タイプ」「肩書気にするタイプ」「情報拡散タイプ」など370以上の項目をスコア化したデータベース「顧客DNA」を作る。
- 提供データから氏名などは削除されているが、受け取る企業は識別子によってどの顧客のデータか知ることができるので、実態は個人データの提供にほかならない。
つまり、「個人情報を削除して個人が特定できないようにしていると言いつつも、識別子によって結局個人を特定できるんじゃないの?更にどんな使われ方をするか明記していないのに、同意って言われててもそれは無効じゃないの?」ってことのようです。
でも、前述しましたが、我々はポイントで得してるんですよね。また、自分の購買履歴が具体的にどのように利用されるかが書かれていなかったとしても「マーケティングに活用される」ということは約款に書いているわけであり、それを逸脱しない範囲であれば同意してると考えるべきでしょう。
日本の経済が低迷してる理由の一つは、諸外国と比較しマーケティングが進んでいないからだと思います。
ものづくりの技術もテクノロジーも世界トップクラス。なのに、世界に通用する商品やサービスが提供できていないのは、マーケティングが弱すぎるから。
そして、そのマーケティングを強化しようとしても、消費者保護を持ち出して潰しにかかってしまう。こうやって日本はどんどん衰退していくのではないかと非常に心配になります。
もちろん、企業側は消費者を偽ったり、規約に記載した目的を超える範囲で利用者の情報を悪用することは絶対にやってはなりませんが、もう少し消費者である我々は企業のマーケティング活動に寛容になり見守る必要があるのではないでしょうか?
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