急性心筋梗塞のカテーテル手術&入院体験談と入院期間や費用のお話し

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先日、職場で急性心筋梗塞(正しくは急性前壁心筋梗塞)を発症して倒れ、救急車に運ばれてそのまま入院してしまった話を書きましたが、その詳細を体験談として記録しておこうと思います。

心筋梗塞の前兆から退院するまでの経緯と経過、そして入院期間や費用なんてことまで

というのも、心筋梗塞で入院してしまうと入院期間中はベットからほとんど動けず、とても退屈。よって、自分と同じ境遇、同じ体験をした人の情報をスマホを使ってネット検索しているのですが、それ程多くないんですよね。

ってか、病院や医療機関の公式ホームページが出てくるばかりで、実際に急性心筋梗塞を発症して緊急手術を受け入院生活を送った患者さん自らの体験談、体験記が意外と少ない。

ということで、私みたいに働きすぎて過労死寸前となり死にかけるも、なんとか一命を取りとめ、病院のベットで情報を検索している人のお役に立てれば・・・。

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急性心筋梗塞の前兆・症状について

急性心筋梗塞の前兆や症状については、病院や医療機関のWebサイトを見た方が、詳しくかつ正しい情報を得られると思います。

また、その前兆や症状は人によって様々なようですが、一応参考として私の体験談を。

今思えば、心筋梗塞を発症し職場で倒れる1週間前から明らかな前兆が現れていました。具体的には、以下のような前兆・症状がありました。時系列に書いていくと・・・

  1. 背中に痛みを感じはじめる
    背中がこっているというか、筋肉痛になっているというか、表現は難しいのですがマッサージを受けたくなるような痛みが現れはじめました。特に肩甲骨辺りの痛みが酷かった。この時は、残業続きでデスクワークをしていたので、完全に姿勢が悪いのが原因だと思っていました。
  2. 左肩も右肩もこりはじめる。同時に首こりも発生
    次に両肩ともに肩こりが発生し、時を同じくして首もこった感覚でした。ただ、この痛みは今まで経験したことが無い様な痛みで、頭を支えるのが辛い程。なんとなく「普通じゃないなぁ〜」と思い、次の休みに整体かマッサージを受けようと考えていました。
  3. 奥歯が痛い?顎が痛い?
    私は10年以上、3ヶ月に1度は歯医者に通い、定期検診・クリーニングを受けています。それ程までに歯を大事にしているため、虫歯になどなろうはずがありません。にも関わらず、奥歯というか顎の辺りに痛みを感じるのです。この時、まさかこれが狭心症や心筋梗塞の前兆・症状だとは考えもしませんでした・・・。
  4. 胸なのか肺なのか、漠然とした違和感を感じはじめる。
    これもうまく表現出来ないのですが、痛みとは違う違和感を感じはじめました。ふとした時に、数分(恐らく1〜2分程度)なのですが、苦しいという感覚?を数時間起きに感じるようになりました。違和感・苦しさを感じる場所は、鎖骨の少し下辺りだったり、胸の中心だったり、左胸辺りだったり、まさに心臓だったり・・・。
  5. 明らかに心臓が痛くなり、胸焼け、吐き気を感じはじめる
    これも数時間起きに発生するようになったのですが、明らかに心臓が痛くなります。締め付けられるというか押しつぶされるそんな痛み。それと同時に、胸焼けや吐き気を感じ、多少ですがゲップも出るようになりました。というか、ゲップをすると少し楽になったから敢えてゲップしてた感じですけど・・・。で、この発作は10分程度続くようになりました。ここでやっと、この痛みや症状をネットで検索し「これは狭心症もしくは急性心筋梗塞の前兆か?」と疑うようになりました。
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急性心筋梗塞発症。職場で倒れ救急車を呼ぶ羽目に・・・

上記のように、自分の症状から、私は狭心症または心筋梗塞の疑いを持っていた。

にも関わらず、「午前中は出勤して仕事を片付け、午後から休暇をもらって病院へ行こう」と甘く考えていたのがマズかった。

まさか、午前中に倒れて救急車を呼ぶことになってしまうとは想像もしていなかった。

というのも、胸の痛みの症状が出ても、10分〜20分程度我慢していれば痛みが治まっていたからだ。さらに我慢できない痛みではなかったことも判断を誤った原因だ。(ちょっとうずくまる程度には痛かったけど、痛みでのたうち回る程ではなかった)

ところが、会社で2回目の発作が起きた時、これが20分以上経過しても治まらない。痛みが治まるどころか、どんどん右肩上がりに痛みの強さが増していく・・・。

私は、平静を装えなくなったため会議を抜け出し、トイレの個室に駆け込み痛みが治まるのを待つことにした。「痛みが治まったらすぐに病院へ行こう」なんて考えながら・・・

しかし、胸の痛み、胸焼けや吐き気に加え、冷や汗(脂汗)まで出てきた。それだけならまだしも心臓が焼かれるような痛みを感じはじめた。

そしてついに・・・

これ以上、この痛みに耐えられない。痛くて死にそう。気絶するかも。

と思い、意識があるうちに同僚のもとへ向かい、救急車を呼んでもらう事になった。その間、私は職場の医務室へ倒れ込むように駆け込み、担架で運ばれるまで医務室のベットで寝ていた。痛みに耐えきれずのたうち回りながら・・・

それにしても、救急車って到着が早いものですね。119番へ連絡後、5分〜10分で来てくれました。優秀な救命救急士(救急隊?)の皆様に感謝です。

そして病院で診察を受け、緊急カテーテル手術へ

さて、病院に救急搬送された私はすぐに診察を受けることになった。

幸いにもまだ意識はあるし、もちろん心肺停止状態でもない。痛みに耐えながら、医師の質問に答えていった。

痛みの状態やこの数日間の症状を伝えている間、看護師さんたちは心電図を取り付けてくれた。そして、その心電図を見ていたお医者さんが・・・

あぁ〜、やっちゃってるね。やっぱり心筋梗塞です。心臓の血管が完全に詰まってますよ。至急カテーテル手術します。早く病院に来れてよかったね。心臓のダメージは最小限で治療できそうだよ。でも、まだ40代前半でしょ?若いのにねぇ〜

結構軽い感じで病名は「急性前壁心筋梗塞」だと伝えてくれた。

で、早速カテーテル室へ運ばれ、カテーテル手術を受け一命を取り留める事になった。

ちなみに、カテーテル手術に要した時間は30分〜1時間位かな。左腕の手首付近を3mm程度切開し、そこからカテーテルを挿入して治療を行った。詰まった血管に再度血液を流すための治療だ。

カテーテルを心臓の詰まった血管まで挿入し、バルーン治療で血管を広げる。私の場合は、再び血管が閉じてしまうことを防止するために、ステント治療まで行うことになった。

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カテーテル治療後、ICU(集中治療室)に入院。

無事にカテーテル治療を終えた私は、痛みも多少和らぎ、少し元気に。

しかし、次に連れて行かれたのはICU、いわゆる集中治療室だった。びっくりした私は、看護師さんに聞いてみた。

「ICUって、命に関わるような重症の患者さんが入院する部屋ですよね?」

すると、看護師さんはこう答えてくれた。

「急性心筋梗塞は、命に関わる重症ですよ。2日間は、集中治療室で24時間体制で管理・看護します。○○さんはまだ若いので大丈夫だと思いますが、カテーテル手術後でも心肺停止になったり、心不全・心臓発作を起こすことだってあるんですから。2日間は絶対安静です。

看護師さんのこの回答を聞いて、自分は大きな病気をやらかしたと実感が湧いてきた。

ICU(集中治療室)での入院生活

ICUに運ばれた私は、まず心電図の電極を沢山つけられ、両足にはマッサージ機を装着された。今から2日間は、絶対安静で上体を起こすことも不可。

よって、エコノミー症候群にならないために、予防策として両足にマッサージ機をつけるらしい。

「2日間、起き上がることも出来ないのか・・・。意識もあるし、なにげに元気出し・・・。上体を起こせないのは辛いな・・・」

そう思いながらも、私は看護師さんの言いつけを守ろうと思ったのだが、一点疑問が。

「トイレはどうしたら良いんだろう?」

深刻な問題である。上体を起こすことさえ出来ない私が、ベットから離れてトイレに行っても良いのだろうか?早速、ナースコールを押して看護師さんに質問すると・・・

「導尿カテーテル(尿道カテーテル?)してないんでしたよね。では、尿瓶ですね。上体を起こせないので、自分で出来ないと思いますので、お小水の時には呼んでください。」

いやいや、20代の女性におしっこの介助してもらうなんて、まだ恥じらいってもんが私にはあります。ということで、なんとか頼み込んで自分で尿瓶を使ってトイレは済ますことにした。

で、ここで気がついたのだが、私はおむつを履かされていた。痛みで朦朧としていたが、カテーテル室に運ばれる前に、服を全部脱がされ、おむつをつけられていたのだ・・・。

さて、そんなこんなやり取りを看護師さんとした後、就寝となったわけだが、痛みが治まったとはいえまだ痛い。この痛みで明け方まで寝ることが出来なかった。

夜中、2時間おきくらいに看護師さんが様子を見に来てくれる為、その痛みを訴えたが、なかなか鎮痛剤をくれない。医師に相談もしてくれたが、「もう痛みはないはずだ」と言っているらしく、お医者さんが鎮痛剤を処方してくれないらしい。

「痛くないはずって言われても、痛いんだけどなぁ〜」と思いながら、明け方を迎え、結局一睡も出来ない状態であることを訴え、やっと鎮痛剤(たぶんロキソニン)をもらい、やっと眠りにつくことが出来た。

集中治療室で順調に回復した私は、2日目には上体を起こすことを許され、次にベットから足を下ろすことが許され、最後に30秒間の足踏みという心臓のリハビリを行った。その結果、心電図、心拍数、血圧ともに問題なし!

3日目に一般病棟に移る事になった。

ちなみに、ICUではスマホ(携帯)は一切使用不可。ま、当たり前だけど、スマホがない生活ってものは暇で仕方ない。原則家族以外は面会謝絶だし、家族であっても30分程度しか面会時間が許されない。

上体も起こせず、スマホも見れず、誰とも会話できない・・・

本当に辛い2日間だった。

3日目にして一般病棟の個室へ移動

私が入院したのは、救急治療を行う総合病院。次から次に重症患者が救急車で運ばれて来る病院だ。

ということで、一般病棟の大部屋は人で一杯。すでに大部屋は空きがなく、一泊25,000円もかかる個室しか空いていないとのこと。

大部屋の一泊料金は8,000円なので、差額の17,000円は自腹での入院となることを告げられ、それでも良いか?と聞かれた。

実は、このような場合、差額を払わなくて良いことを私は知っていた。というのも、以前私は入院し、同じ経験をしているからだ。

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しかし、これから何日入院することになるか分からなかった私は、ここでモメるより、気持ちよく受け入れた方が良いと判断し、致し方なく高額な個室での入院費用を受け入れることにした

一分でも早く集中治療室を出たかったしね。。。

心臓リハビリテーションで順調に回復

一般病棟に移ってからは、毎日心臓リハビリテーションを行った。

ICU(集中治療室)でのリハビリを含めると、その心臓リハビリプログラムはうろ覚えだけど、以下のような感じ。

  • 1日目:上体を起こす
  • 2日目:午前中にベットから足を下ろす。午後はベットから降りて30秒の足踏み。
  • 3日目:歩いてトイレに行く。
  • 4日目:【歩行訓練】100メートル歩く(ここでシャワーの許可がでる)
  • 5日目:【歩行訓練】200メートル歩く(病院内を自由に歩けるようもなる)
  • 6日目:【階段昇降】病院内で1階分の階段登り降り
  • 7日目:【階段昇降】病院内で2階分の階段登り降り

なお、この心臓リハビリテーションは理学療法士の監視と指導のもとに行うらしいが、私はまだ若いので、3日目以降は看護師さんと行った。なお、理学療法士さんが、余計なお金使う必要はないからと言うことで気を使ってくれての提案だった。

そして、8日目以降は、理学療法士さんが付いていないこともあり、決められた心臓リハビリテーションプログラムをこなすのではなく、自分で病院内を自由に歩き回って徐々に心臓への負荷を上げていき、心臓機能の回復に努めた。

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入院期間は10日間、入院費用(治療費)はなんと55万円!

私が急性心筋梗塞を発症し、職場で倒れ、救急車で総合病院に搬送され、緊急カテーテル手術を受け、ICUを含めて10日間にも及ぶ入院生活の後、無事に退院するまでの一部始終でした。

なお、この10日間の入院費用(治療費)は、3割負担で55万円でした

結構高いのね・・・。

ま、55万円で命が買えたと思えば、めっちゃ安いものですね。

もちろん、高額療養費制度を使って、健康保険組合に「健康保険限度額適用認定証」を発行してもらえば、自己負担は約20万円となります。

ちなみに、高額療養費制度は医療費を支払う人の所得額によって、自己負担限度額が変わり、35,400円〜252,600円+αまで結構幅があります。(私の自己負担額は上から2番目・・・。なんか損した気分)

私はもともと高コレステロール血症(恐らく家族性の・・・)だったとはいえ、心筋梗塞を発症する事になった大きな要因は働きすぎ、長時間労働・ストレスの高い仕事をしていたこと、つまり過労が原因(だと思う)。

よって、これからは、長時間労働、長時間残業、土日出勤当たり前な働き方をしっかりと見直し、二度と心筋梗塞になってあの激痛を経験しないようにしたいと心に誓いました。

以上、急性心筋梗塞による入院体験談でした。

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