働き過ぎによる膨大なストレスと過労の蓄積、それと高コレステロール体質という悪条件が重なりまくった結果、約2年前に私は急性心筋梗塞で緊急入院&カテーテル手術を受けた。
幸いなことに一命は取り留めたものの、40代前半の体は約20年の社畜人生でボロボロになってたみたい。その後、多少の後遺症にも悩まされることになってしまったし・・・
ということで、急性心筋梗塞で人生一発退場になりかけた働き盛りの40代男性は、「退院後どのように生活しているのか?」「人生に変化は起こったのか?」「仕事やプライベートへの向き合い方が変わったのか?」を記録しておく。
心筋梗塞の手術後、確かに人生を見直そうと思った・・
さて、九死に一生を得た人たちは以下のような思いを抱くと聞いたことがある。
「死を強烈に意識したり、死にかけるような体験をすると、人は自分の人生を見直し、新しい人生を歩む」
人生に対する価値観が変わるってやつだ。
- 人はいつ死ぬか分からない。だから一日一日を大切に生きよう。
- 死を意識した時、いろいろな後悔が頭をよぎった。後悔のない人生を生きるために、これからは自分の気持ちに正直に生きていく。
- 仕事ばかりしてちゃダメだ。人生をもっと有意義に使わないと行けない。
- 家族、恋人、友人ともっと一緒に過ごすことに時間を使おう。
- 自分のことばかり考えていては行けない。助かったこの生命で社会貢献をしよう。
- etc・・・
実際、私も急性心筋梗塞で死を意識した時(強烈な痛みにもだえ、救急車で運ばれている時)に多少ではあるが、上記に似た考えが頭を過ぎった。
もちろん、手術後、病院のベットの中で、助かったこの生命で残りの人生をどう生きるべきか?とか、今までの社畜人生を改めること、働き方を変えることを考えていた。
私の人生を見直す動機は、他人とズレてる?
しかし、「なぜ人生・生活を見直そうと思ったのか?」という最終的な動機が、私の場合はちょっと違うようだ・・・。どうも人とズレているらしい。
というのも、九死に一生を得た人たちは、前述した通り、
「助かったこの生命で自分の人生を後悔のないように大切に生きよう」
というように、自分の為に自分の命を大切に使うことを考えている。
一方で、私は自分が書いた上記のブログ記事「働きすぎで体調不良、ってか過労からの急性心筋梗塞で入院。働き方を見直す時期かな・・・」で働き方を見直す理由をこう書いている。
周りの人から見れば、明らかにオーバーワークに見えていたのだろう。自分では平気だと思っていたが、疲れは確実に表情やテンションに現れ、上司・同僚・部下からも心配されていたのだ。
40歳を超えたいい大人にも関わらず、周りに心配をかけ、さらに病気で長期入院した結果、職場・仕事を離れてしまい上司・同僚・部下に迷惑をかけてしまうなんて・・・。いい大人のやることじゃないね。
つまり、「自分の為に自分の人生・生活・働き方を見直す」のではなく、「人様に迷惑を欠けないように、自分の人生・生活・働き方を見直す」という考え方になっているのだ・・・
「社畜として生きてきた人生を反省し、もっと社畜として長く生きていく為に、今後は体は壊さない程度に働こう!」という馬鹿みたいな思考回路になっている気がする・・・
まぁ〜、人生どう生きようと人それぞれ。
その人の価値観であり、私は「仕事をしっかりやる=人生で大切なこと」ということに価値を見出しているのであれば、それはそれでいい気もするが、なんかだしっくり来ない・・・。
恐らく自分を自分で客観的に見ると、「仕事でしか自己実現できない可愛そうな人」って感じがしちゃうんだよね。。。それがしっくりこない理由な気がする。
ちなみに、上記のブログ記事の後に、急性心筋梗塞の緊急入院&手術体験談を書いているのだが、ここでも自分の生活を見直す理由をこう書いている。
よって、これからは、長時間労働、長時間残業、土日出勤当たり前な働き方をしっかりと見直し、二度と心筋梗塞になってあの激痛を経験しないようにしたいと心に誓いました。
今度は、「痛い思いを二度としたくないから、生活・仕事・働き方を見直そう!」と書いているのだ。どこまで行っても、俺って馬鹿なんだな・・・。
理由はどうあれ、仕事・プライベートへの向き合い方は変わったのか?
結論から書くと、仕事もプライベートもどっちとも「多少は変わったが大きく変化していない」だ。
大変残念な結果だけど、まぁ〜人生そんなものだよね。
九死に一生を得るような体験をし、それがきっかけで大きく人生が変わるなんてドラマのような人生を誰もが歩むわけないもんね。
人生を見直すような大きな経験の前後で多少なりとも変化し、その変化がより良い豊かな人生をもたらしてくれるのであれば、それだけで十分でしょう。
なお、私の人生においてどんな変化が起こったのかというと・・・
仕事における変化
- 残業が続くと同僚が助けてくれるようんなり、結果として残業が減っている。
- また、長時間働く仕事のスタイルが、より効率的に短時間で仕事を終えるようになってきた。(そうしないと、同僚が私の仕事をやる羽目になり、同僚の残業が増えて迷惑かけることになるからだ)
- また、自分のキャパシティーを超えそうな状況を自分で察知すると、事前に人に協力を求めるようになった。
という感じで、周りの人が変化したおかげで、結果として自分の働き方改革につながっている。
心筋梗塞を起こす前とその後では、人に助けてもらい、また人に頼り、人を信じて任せるという働き方において良い変化が起こっている。
プライベートにおける変化
私は40代半ばのバツイチの独り身。
残りの人生を見つめ直し、その先の人生をともに歩んでくれるパートナーを見つけ、愛に満ちた楽しい人生を送っている。。。。
と書きたいところだが、まったくもってその反対である。
プライベートは全く変化がないどころか、誰かと人生を歩むという選択肢を拒絶するようになってしまった。
- 心筋梗塞により心臓にダメージを負い、以前とは違う健康ではなくなった自分の体で大切な誰かを守る自信がない。
- 守る自信がないどころか、大切な人に守ってもらう(介護してもらう?)人生が近い未来に来ることが怖いし、申し訳ない・・・
このような思いから、相変わらずプライベートでは人付き合いを拒絶し、一人で自由気ままに時間を過ごしている。。。
ということで、心筋梗塞後の様々な後遺症が自分の人生において結構大きな問題となってしまった。
急性心筋梗塞手術後の後遺症について
40代前半で発症した急性心筋梗塞。
カテーテル手術は成功し、大きな問題なく退院し、以前と同じような生活が遅れると思っていたが、現実はそんなに甘いものではなかった。。。
退院後、以下のような後遺症・症状に悩まされている。
- 脈が飛ぶような感覚に襲われる。心臓が一瞬止まり、喉が詰まるようなそんな嫌な感覚が定期的に発生する。
- 数ヶ月に1度程度、明け方に胸を締め付けられる痛みに襲われる。この時、急性心筋梗塞の典型的な痛みである「顎の痛み」を感じる為、「また心筋梗塞を発症したのか!?」と強烈な不安と恐怖に襲われる。
- 30分も散歩すると手足が激しくむくみ、歩けなくなる。
- ちょっと動くだけで心拍数が激しく上昇する。安静時も手術前と比較し、30%以上心拍数が高くなっている。
- 疲れやすいせいか、微熱を頻繁に出すようになった。
- 新型コロナでずっとマスクをしているが、とにかく息苦しい。(心臓機能の低下のせいなのか?マスクだけが原因なのかは全く分からないが・・・)
心筋梗塞の発症後は明らかに体の不調に悩まされている。
心筋梗塞を体験した人は、その時の強烈な痛みと死への恐怖がトラウマとなり、精神的に病む事があるらしい。明らかな原因がないのに心臓病に伴う痛みを感じる「心臓神経症」という心の病だ。
私も一瞬これを疑ったが、心エコー、CT検査、BNP検査を行った結果、心臓に想定以上のダメージがあることが判明した。
心臓の3割以上という広範囲で心機能の低下が認められたのだ。心臓の壊死が原因で動いていない部分や動きが悪い(血液を送り出す為の正常な収縮ができない)部分が3割以上にも及んでいるのだ。
そりゃ〜、疲れやすくなったり、心拍数が上がって常にドキドキを感じたり、手足がむくんで歩けなくなるわけだよね。。。
つまり、心不全一歩手前の状態だったのだ。
検査してみないと分からないものだよね。。。
ということで、働き盛りの40代男性である私の生活は、心筋梗塞によって大きく変わりました
それは、「悔いのない人生を歩むために生き方を見直す」というような大きなな変化ではなく、心筋梗塞を再発しないようにまずは長時間労働を見直すという小さな変化です。
でも、この小さな変化により私はこの先も10年、20年と生きていくことができる。働き方を変えなかったら、心筋梗塞を再発し、今度こそ一発で人生退場になりますからね。
ということで、後はプライベートで発生しているネガティブな変化を、前向きな変化に変えることができれば、助かったこの生命をもう少し有意義に使うこととができるようになるかな。
でも、今の最大の関心事は、自分が新型コロナウイルスに感染しないこと。心疾患持ちは健康な人よりも死亡率がだいぶ高いかいからね。今、新型コロナウイルスに感染しちゃうと、40代とまだまだ若いとはいえ、俺の心臓は持たない気がする・・・。
「40代独身バツイチ男性、新型コロナに感染し、自宅で孤独死・・・」なんてニュースで取り上げられたくないよぉ〜
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