最近、個人型確定拠出年金の「iDeCo(イデコ)」がテレビやネットのニュースで取り上げられている。
「年金」って言葉は簡単だし意味が分かるけど、”確定拠出”とか”iDeCo”とかが付いた瞬間に意味が分からなくて拒絶反応を示してしまう。しかし、これだけ話題になっているということはそれなりにメリットがある制度だったり、知っておくべきことなんだろうと思うので、自分なりにまとめてみたい。
そして、そもそもこの制度を使うべきか否か。それを見極めたいと思う。
普通の年金と確定拠出年金の違いって何?
そもそも、我々が使っている「年金」という言葉。これを小難しい言葉にすると「確定給付年金」という。国民年金とか厚生年金とかだ。
この「確定給付年金」と「確定拠出年金」の違いを知るには、給付と拠出という言葉を理解する必要があるわけだが、簡単に言うと以下の通り。
- 確定給付年金とは
将来の給付額を決めておき、その給付額を賄うのに必要な掛金を支払う制度。 - 確定拠出年金とは
拠出額、つまり掛金を先に決め、将来受け取る給付額は掛金として支払った金額とその運用実績によって決まるという制度。
つまり、通常の年金である確定給付年金は、将来もらう金額が決まっているが(=運用実績は関係ない)、確定拠出年金は将来受け取る金額が運用実績に応じて変動するということだ。
中学校で年金制度にいて学んだ気がするけど、全然理解していなかったな・・・。将来決まった金額が支給されるってのは理解していたけど、詳細な仕組みとか制度なんて全く分かっていない。給付と拠出の違いなんて考えたこともなかった。ってか、俺が学生時代には「確定拠出年金」なんて無かったはずだから教わってないか。。。
今の学生は授業で学んでるのかな?
個人型確定拠出年金iDeCoとは何なの?
さて、確定拠出年金についてもう少し詳しく調べてみよう。
確定拠出年金の導入時期や目的
確定拠出年金が日本に導入された時期は2001年(平成13年)。俺が20代半ばの時。やっぱり、学校で教わってないわ。
そう言えば、「日本版401k」とか言われて当時話題になってた。
確定拠出年金の導入目的。それは、「自分の年金は自己責任において運用しましょう」ってこと。少子化、高齢化が加速する日本において確定給付年金制度は運用が困難となる(崩壊とまでは言わないが・・・)。
運用が困難ということは、つまり支給額が減るってこと。だから、安定的な老後を送りたかったら個人の責任のもとしっかりお金を運用してね。って話なんだろう。
国民の老後の生活に責任を持ってきた国家が、とうとうさじを投げたと言ってもいいのかな?とにかく、自分の老後は自分で守ろうねってことだろうね。
確定拠出年金の種類と「iDeCo」の意味
で、この確定拠出年金には2つの種類がある。
それは拠出金(掛金)を誰が出すのかで分けられ、個人型と企業型がある。個人がコツコツと掛金を積み立てる方式と、企業が掛金を積み立ててくれるという違いだ。
ちなみに確定拠出年金はDCと表記されることがある。英語で「Defined Contribution Pension Plan」というから頭文字をとってDCと呼ばれている。
で、個人型と企業型の英語表記は以下の通り。
- 個人型確定拠出年金
Individual-type defined contribution pension plan - 企業型確定拠出年金
Corporate-type defined contribution pension plan
企業型は特に愛称が設けられなかったため企業型DCとそっけなく呼ばれるが、個人型は英語表記の頭文字をとって「iDeCo(イデコ)」と可愛らしく名づけられた。国民に浸透する事を目的としており、「i」には「私」という意味も込められているらしい。
なぜ今注目されてんだっけ?
さて、確定拠出年金とか、個人型とか企業型とか難しい内容がやっと分かってきたが、なぜ今iDeCoがニュースに取り上げられ注目されているんだろうか?
それは、今までは一部の人しか対象でなかった個人型確定拠出年金が、2017年(平成29年)から日本国民ほとんど全員が対象となるからだ。
簡単に言えば、2017年の制度改正により、公務員・専業主婦・企業型DCを導入している企業の社員などもiDeCoを利用できるようになったのだ。
この3パターンの人の人口は相当多いだろうから、そりゃ話題にもなるわな。しかも、公務員や企業型DCを導入している企業(つまり大企業)の人は投資に興味を持っている人多いだろうし。
で、結局iDeCoってやるべき?NISAとの違いは?
iDeCoとはなんぞや?というのが大体分かったところで、結局やるべきなだっけ?ってことを考えてみることにする。
まず、年金についての現状を理解しておこう。俺が勤務する企業は既に企業型DCを導入している。ということは、俺の年金は既に3階建てになっているということになる。
- 1階:基礎年金(国民年金)
- 2階:厚生年金
- 3階:企業型確定拠出年金(企業型DC)
すでに3階建てなのに、更に個人的に掛金を払い、4階建てにする必要がるのだろうか?
結論としては必要だと思う。我々アラフォー世代が老後・定年を迎える時、今の確定給付年金は給付額が相当下がるだろう。また、支給開始時期も今より遅れるだろう。ならば、自分で老後資金を準備する必要があるからだ。
つまり、3階建てでは不十分なので、老後の安心した暮らしのためにも4階建ての強固な年金システムを準備すべきなのだ。だからこそ、外貨預金とか投資信託とかNISAでリスクを取りながら一生懸命資産運用しているわけだしね。
iDeCoのメリット・デメリット&NISAとの違い
ということで、安心な年金を自分で作るためには資産運用をすべきであり、その新しい仕組みであるiDeCoは利用する価値がありそうだということ。
では、早速iDeCoのメリットとデメリットをまとめてみよう。
【メリット】
- 掛け金分が節税になる。
掛け金が全額所得控除されるのでかなりお得! - 利益が出ても課税されない。
- 年金として受け取る時も節税になる税制優遇措置がある。
【デメリット】
- 損するリスクがある。
ただし、所得控除される事を考えると30%程度の損まで許容できちゃうな。 - 口座維持手数料とかが必要。
- 手続きが面倒臭い。
- 対象となる投資商品が少ない。
自分が好きな投資商品が選べないのはちょっと頂けないな・・・。 - 60歳まで下ろせない。
流動性が無いって致命的。。。
NISAにも税制優遇制度が適用され、儲かってもその利益から税金が引かれない。しかし、iDeCoの場合は掛金にまで税金がかからなくなるという驚きのメリットが有るのだ!
こんなにメリットだらけなら有無も言わさずやるべき!何だけど、デメリットもかなり大きい。特に、60歳まで解約できないというのが最悪だ。想定外の出来事でお金が必要になっても下ろせないなんて、何だか自分のお金じゃないみたいで嫌だな。
以上、人生における想定外の出来事にも十分耐えうるお金を持っていて、老後の資金をしっかりと溜め込みたい人ならおすすめなんだろうけど、俺はもう少し様子見するかな。
NISAや通常の投資信託を活用して、好きな金融商品に投資し、好きな時に利益確定しする運用方法の方がいいな。こんな考えだから、大きく儲けることができないんだろうけど・・・
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