出世したくない社員たち。偉くなるほど辛くなる会社に未来はあるのか?

十数年前、つまり俺が新入社員の頃、俺は「早く偉くなりたい」と思っていた。早く出世して偉くなりたいと思っていた。入社して少なくとも4年間は・・・。

でも、今は違う。

偉くなりたいとは全く思わない。出世したくない。今の希望は現状維持だ。これ以上偉くもならず、降格もされず、会社の中でひっそりと生きていきたいと思う。でも、こう思っているのは俺だけではなかった。それが分かった瞬間、俺は不安を感じた。

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偉くなること(出世)のメリットとは

昔はなぜ偉くなりたかったのか?その理由は、偉くなることにメリットがあったからだ。メリットとは「地位・名誉・金」が手に入るということ。

偉くなれば、仕事は全部部下に押し付ければ良かった。部下に押し付けて、自分は定時帰りで問題なかったのだ。つまり、楽が出来るのである。

偉くなれば、みんなからちやほやされた。社内だけでなく、社外の人間からも接待なんか受けちゃって、いい気分だったに違いない。

偉くなれば、金が稼げた。うちの会社では課長クラスで1,000万近く、支店長や部長クラスになると1,000万円は軽く超える年収がもらえた。

以上が、偉くなること、出世のメリットだった。しかし、今はどうだろう?出世すれば、上記のメリットが手に入るだろうか?

出世してもメリットがない時代へ。

出世のメリットは現在どうなったのか?結論から言うとボロボロ。メリットなんて無いに等しい状態となってしまった。

まず、出世することで楽が出来るかというとそうではくなった。なぜなら、コンプライアンスが厳しくなったからだ。部下は残業に制限がある。制限があるから、昔みたいに「徹夜してでも仕事しろ!」と命令できない。つまり、偉くなっても自ら働かなければならなくなった。

あと、パワハラ問題。コンプライアンスに問題がるようなことを部下に強制しちゃったら、すぐにチクられる。結果、左遷されちゃうから、昔みたいに権力を使って強引なことができなくなった。

地位や名誉もなくなってきた。出世してもチヤホヤされなくなってきた。なぜなら、昔みたいに権限移譲されなくなったからだ。何をするにも本社やお偉いさんの決裁が必要になっている。課長・部長・支店長になっても昔みたいに権限が与えられないから「名ばかり管理職」になっている。こんな人には地位も名誉も感じない。

最後にお金。支店長といえどもハッキリ言って「名ばかり管理職」だ。なんの権限も持ってないからね。で、不景気な現在は、業績連動の為年収は下がる一方。ヘタすると、残業が多い部下と同レベルの年収しかもらえない。何のために偉くなって、責任とリスクを負っているのか全く分からない。

出世したくないのは俺だけじゃない!?

ということで、出世に対して何のメリットも感じないどころか、デメリットばかりが目につくようになってから、俺は出世欲がなくなった。偉くなりたいと全く思わなくなった。

でも、こんな話は社内ではできない。上司に知られたら色々面倒臭いことになるからね。だから、こんな話は飲み会の場でもしなかった。

しかし、ある時、我社の人事制度が大きく変わったことをきっかけに社員みんなの不満が爆発。日頃心に秘めていた不満をみんなが語り始めた。それくらい社員に取ってマイナスばかりの人事制度改革だったのだ。「会社は自分を守ってくれない」完全にそう思える出来事だった。

こうして、同僚・後輩・先輩たちがみんなが出世したくないという思いにかられていたことを知ることになった。

誰も出世したくないということは・・・

みんなの思いを知った時、初めは良かった。自分と同じ思いの同僚がたくさんいることを知って安心した。でも、合う人合う人、みんなが同じような不満を抱え、将来に希望を持たなくなっていた。そして、怖くなった。

「誰もこの会社を良くしようとか、業績をあげようと思ってない・・・」

こんな社員ばかりの会社が発展していくわけがない。いずれ業績は大きく悪化し、最悪会社は倒産してしまう。倒産まで行かなくても、業績悪化に伴い、大リストアがおこわなわれるだろう。

そうなると、真っ先にクビを切られるのはそこそこ年収が高くなっている俺たち中堅社員だろう。。。出世するとかしないとかではなく、職が失われるかどうかという大問題に発展してしまう。

無気力な社員を尻目に野心を抱く社員

出世欲が無くなった社員ばかりの会社に将来は無い。このままでは絶対にマズイ。そう分かっていても、俺自身を含め社員のやる気をもう一度取り戻すことは難しい。

では、どうすればいいんだろう?とう思っていた時、ふと気が付いたことがる。ごく一部ではあるが、野望・野心を抱き続けている社員がいるのだ。

不満を抱え、文句ばかり言っている社員たちを尻目に、出世へ向かって邁進している社員がいる。ごく一部だが、やる気のない社員たちを作業員として手足のように使いこなし、自分の思い通りに仕事を進めている優秀な社員がごく一部だが残っている。

働き蟻も全員が必死に働いているわけではなく、全体の2割がリーダーシップを持ち、懸命に働いているという。残りの8割は2割のリーダーに従って働くか、怠けているのだ。まさに、この状況が目の前で展開されている。ということは、まだまだ我が社も捨てたもんじゃないんだろうという気持ちになってきた。

一時期に比べると、社員の不満は大きくなり、社員の働く意欲は低下している。しかし、出世したいという野心を持たなくなり、自主的に自ら大きな仕事を成し遂げようという意気込みがなくなっているだけだ。もともと優秀な社員たち。必要最低限の仕事は責任を持って遂行しているし、その仕事の精度は高い。

そういう社員を上手く使いこなしている、野心を持つ社員がいる限り、まだまだ何とかなりそうな気がしている。

自分が2割のリーダーになることは無いと思う。リーダーになれるような素質も持ってないしね。だから、これからはリーダーに従順に従う残り8割の働き蟻として頑張ろうと思う。

これが役割分担ってやつであり、現代の組織のあり方なんだと思うから。

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