先日、会社人生で初めて「有給休暇」なるものを取得してみた。
俺が社会人になった時代は、サービス出勤当たり前、サービス残業当たり前だった。何ヶ月休んでいないか、何十日振替休日を貯め込んでいるかが武勇伝だった。
風邪をひこうが、熱を出そうが、フラフラになりながらも出勤し、会社の為に命を削ることが美徳とされた時代である。
というと、かなり昔の事のように聞こえるが、ほんの十数年前までそんな時代だったのだ。そんな時代に育った俺が「有給休暇」を初めて取得してみたのだが・・・。
有給休暇を取ることに対する抵抗
会社に尽くす事こそ美徳。そんな時代に社会人としての基本的考え方や姿勢を学んでしまった俺は、未だに「有給休暇」を取得することに抵抗を覚える。
有給休暇は労働者の権利であり、誰もが有給休暇を消化できる環境こそが正しいと頭では理解している。事実、部下や後輩には有給休暇を消化することを勧めているし、有給休暇を取得しやすいように仕事の量を調整したりもしている。
しかし、いざ自分も有給休暇を取ろうと思った時、どうしても後ろめたさを感じてしまうのだ。
自分でもこの思考回路が理解できないのだが、「あいつ、有給休暇を取りやがった。生意気なやつだな。」と思われるのでは無いかとビクビクしているんだと思う。これは、洗脳に近い状況だと思う。
思い切って休みを取得してみた。
今まで、親族の不幸とか、やむを得ない事情により有給休暇を取ったことはある。しかし、特別な事情なく、「休みたいから」とか「平日遊びに行きたいところがある」などという、自分が楽しむことを目的とした有給休暇を取得したことがなかった。
しかし、先日、たまたま何も仕事が入らなかった日が出来たので、思い切って有給休暇を取得してみた。もちろん、同僚も上司も特に反対すること無く、突然有給を取ることに対してすんなりと受け入れてくれた。
昔のように、有給休暇申請を拒否されたり、嫌な顔をされたりすることはなかった。
有給休暇を取得してみたものの・・・
ということで、有給休暇を取得してみたわけだが、その感想は・・・。思ったよりいいものではなかった。
まず、有給休暇を申請し、上司や同僚に快く許可をいただいたものの、やっぱり同僚にたいして申し訳ない気持ちになってしまう。
せっかく休みをもらったのだが、一日中気持ちがスッキリしなかった。「今頃みんな働いてるんだろうなぁ〜。俺だけ休んじゃって申し訳ないなぁ〜」とずっとモヤモヤした気持ちが無くならなかった。よって、思い切って休みを満喫することが出来なかった。
ま、仮に同僚・仕事のことを完全に忘れることが出来たとしても、やっぱり楽しめなかっただろう。なぜなら、休みをどう過ごしていいか分からなかったのだ。俺は無趣味だから何をしていいのか分からないのだ。
休みなんて要らないや
ということで、有給を申請することに対して気まずさを感じ、休んでいる間も同僚に対して申し訳ない気持ちになり、有給休暇後の出勤時には同僚に誤っている。
こんなに気苦労が多いとは思わなかった。こんなことなら、有給休暇なんて今後一切要らないや。
本当は休みたいんだけどねぇ〜。どうすれば、堂々と休みを取り、堂々と休みを楽しむ事ができるようになるんだろうな。
長年染み付いた社畜根性はなかなか治らないな。
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