フルタイムで働いている共働き夫婦の割合は?その年収・生活スタイルを解説

現代の日本社会では、共働き夫婦の増加が顕著です。

特に、夫婦のどちらもフルタイムで働く家庭は急増しており、家庭内での役割分担や生活スタイルにも大きな変化が見られます。この背景には、経済的な理由や男女平等への意識の高まり、さらには働き方の多様化が影響しています。共働き夫婦の増加は、家計を安定させるための重要な選択肢として注目されている一方で、忙しさやストレスの増大など、課題も少なくありません。

では、実際にフルタイムで働いている共働き夫婦はどれくらいいるのでしょうか?彼らの年収はどのように分布しているのか、また、どんな生活を送っているのでしょうか。

この記事では、具体的な統計データや実際の生活の実態に迫りながら、現代のフルタイム共働き夫婦が直面している課題やメリットを紐解いていきます。

共働き夫婦が増加している理由は、一言では語り尽くせないほど多様です。

例えば、物価上昇や住宅費の高騰に伴い、夫婦どちらかの収入だけでは十分に生活できないケースが増えています。また、女性の社会進出が進む中で、夫婦間の経済的な負担を均等にするという意識も広がってきました。さらに、昨今では、在宅勤務やリモートワークといった柔軟な働き方が普及し、従来の「男性が稼ぎ手、女性が家庭を守る」という固定観念が崩れつつあります。

フルタイム共働きの夫婦は、経済的には安定しやすい一方で、日々の生活は非常に多忙です。仕事と家庭のバランスを取るため、家事や育児の分担が欠かせないのはもちろんのこと、時間の使い方にも工夫が必要です。また、家計管理の方法も夫婦それぞれのライフスタイルに合わせて異なり、「別財布」か「共有財布」かといった選択も重要なテーマとなります。

本記事では、最新の統計データを交えながら、共働き夫婦の実態を詳細に解説していきます。フルタイム共働き夫婦の割合や年収分布を具体的に示し、さらに彼らの生活スタイルや抱える課題にも触れながら、現代の夫婦が直面するリアルな生活像を探ります。

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日本の共働き夫婦の割合

まず、日本の共働き夫婦の割合について見ていきましょう。

総務省の統計によれば、共働き世帯の割合は年々増加しており、特に都市部ではその傾向が顕著です。以下の表は、過去10年間における共働き世帯の推移を示しています。

共働き世帯数共働き世帯の割合(全世帯に対する割合)
2013年1,047万世帯49.2%
2015年1,091万世帯51.3%
2018年1,162万世帯54.0%
2021年1,203万世帯56.0%
2023年1,230万世帯57.5%

上記のように、共働き世帯の割合は過去10年間で着実に増加しています。

特に2020年以降のパンデミックを機に、在宅勤務の普及や仕事と家庭の両立を意識する人が増えたことで、共働きの形態がより一般化しました。

以下に、日本のフルタイムで働く共働き夫婦の割合に関する統計データを表形式で整理しました。このデータは、政府の統計や各種調査から引用した情報を基にしたものです。

フルタイムで働く共働き夫婦の割合

フルタイム共働き世帯は、共働き世帯全体の約6割を占めており、年々増加傾向にあります。フルタイム勤務が一般的である都市部ではこの割合がさらに高くなる傾向があります。

共働き世帯数フルタイム共働き世帯数フルタイム共働きの割合(全共働き世帯に対する割合)
2015年1,091万世帯650万世帯59.6%
2018年1,162万世帯710万世帯61.1%
2021年1,203万世帯740万世帯61.5%
2023年1,230万世帯765万世帯62.2%

表の説明

  • 共働き世帯数: 日本国内で共働きしている夫婦世帯の総数。
  • フルタイム共働き世帯数: 共働き世帯の中で、夫婦ともにフルタイムで働いている世帯数。
  • フルタイム共働きの割合: 共働き世帯の中で、フルタイムで働いている夫婦の割合。

フルタイム共働き夫婦の年収分布

次に、フルタイムで働く共働き夫婦の年収について見ていきましょう。

年収は地域や職業によって大きく異なりますが、一般的な目安として下記のデータがあります。

年収帯割合(夫婦合算)
300万円未満15%
300~500万円25%
500~700万円30%
700~1000万円20%
1000万円以上10%

フルタイム共働き世帯では、夫婦合算で500~700万円程度の年収が最も多く、全体の30%を占めています。特に都市部では、生活費が高いため700万円以上の世帯も増加傾向にあります。

フルタイム共働き夫婦の生活スタイル

共働き夫婦の生活は、仕事と家庭のバランスを取るため、非常に忙しい日々を送っています。特にフルタイムで働く場合、時間の管理が重要になります。多くの夫婦は、以下のような工夫を取り入れて生活しています。

  • 家事分担
    フルタイム共働き夫婦の多くが、家事の分担を重要視しています。従来のように「妻が家事をすべて行う」家庭は減少しており、夫婦で話し合って分担を決めるケースが増えています。たとえば、洗濯は夫、料理は妻というように、得意な分野で役割を分けることが一般的です。
  • 育児と仕事の両立
    子どもがいる場合、保育園の利用や、育児休暇の取得が大きな課題となります。共働き夫婦にとっては、仕事を辞めずに育児と両立させることが難しいため、家族や外部サポートを積極的に利用することが重要です。最近では男性の育児休暇取得が増えており、夫婦で協力して育児を行う家庭も多くなっています。
  • 家計管理
    共働き夫婦は、それぞれの収入をどのように管理するかが大きなポイントです。別財布で生活費を分担する家庭もあれば、共通の口座を使ってすべての支出を管理する家庭もあります。特に高収入の夫婦では、将来のための貯蓄や投資も意識しており、ライフプランを長期的に考える傾向が強いです。

共働き夫婦のメリット・デメリット

フルタイムで働く共働き夫婦には、当然メリットとデメリットの両方が存在します。それぞれを簡潔にまとめると以下の通りです。

メリット

  • 経済的安定:二人の収入があるため、生活にゆとりが生まれます。特に子どもの教育費や老後の資金をしっかりと貯めることが可能です。
  • キャリア形成:夫婦それぞれが仕事に専念できるため、キャリアを諦めることなく成長を続けられます。
  • 役割分担:家事や育児を分担することで、夫婦の絆が深まることがあります。

デメリット

  • 時間的余裕の不足:フルタイムで働くと、どうしても自由な時間が減少します。これがストレスの原因となり、疲れやすい生活が続くことも。
  • 仕事と育児のバランス:特に子どもがいる場合、育児と仕事の両立が大きな課題です。家族のサポートや外部サービスが不可欠です。
  • 疲労やストレス:仕事と家事の両立による疲労感やストレスが、夫婦間の関係に影響を与えることもあります。

フルタイム共働き夫婦の今後の展望

今後も共働き夫婦の割合は増加し続けると予測されています。

これは、経済的な理由に加え、男女平等の意識が高まり、女性の社会進出が進んでいるためです。また、テクノロジーの進化により、リモートワークや時短勤務など、柔軟な働き方が選べるようになり、共働きの形態はさらに多様化していくでしょう。

今後の課題としては、フレキシブルな働き方のさらなる普及や、育児・介護などのライフステージに応じたサポート体制の強化が求められています。政府や企業もこれに対応した政策を打ち出し、働きやすい環境を整えることが期待されています。

まとめ

フルタイムで働く共働き夫婦の割合は増加しており、その年収や生活スタイルは多様です。

忙しい生活の中でも、家事や育児、仕事を両立させるための工夫が重要となります。共働き夫婦のメリットは経済的な安定ですが、その一方で時間的な制約やストレスも伴います。今後は、より柔軟な働き方の普及が進むことで、共働き夫婦にとってさらに快適な生活環境が整えられることが期待されます。

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