DINKs・共働き夫婦が知っておくべき年末調整の基礎知識と節税のポイント

共働きで子どものいないDINKs夫婦(Double Income No Kids|ディンクス)にとって、年末調整は税負担を最適化するための重要な手続きです。

しかし、年末調整という言葉を聞くと、複雑なイメージを抱く方も多いのではないでしょうか。特に共働き世帯の場合、それぞれの収入があり、各自の年末調整を別々に行うことが多いため、どうすれば効果的に節税できるか気になるところです。

この記事では、DINKsや共働き夫婦が年末調整で必ず押さえるべき基礎知識から、節税につながる具体的なポイントまでを詳しく解説します。節税のコツをしっかり理解し、無駄のない税金対策を行いましょう。

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年末調整とは何か?その基本を理解しよう

年末調整の目的

年末調整とは、毎月の給与やボーナスから天引きされている所得税を、1年間の収入に基づき最終的に正しい金額へ調整する手続きです。

会社員であれば、基本的に年末調整を会社が代行してくれるため、確定申告をする必要がありません。しかし、医療費控除やふるさと納税など、特定の控除を追加したい場合には、確定申告を行う必要が出てきます。

例えば、毎月の給与から自動的に税金が引かれている会社員の場合、1年の途中で収入が変動したり、扶養家族が増えたり、保険料の支払いが増減したりすると、最終的に必要な税額と天引きされている金額が一致しないことが多くなります。年末調整は、そのズレを解消し、払いすぎた税金の還付を受けたり、逆に不足分を追加で納めたりするためのものです。

DINKs・共働き夫婦にとっての年末調整の特徴

DINKsや共働きの夫婦は、双方が独立して所得を得ているケースが多く、それぞれの年末調整が必要です。年末調整は個人の収入に基づいて計算されるため、夫婦間での調整や共有は基本的に行われません。

しかし、生命保険や医療費控除など、家庭全体での出費に関しては、どちらが申請するかを工夫することで節税効果を高められる場合があります。共働きならではの工夫を活用し、賢く節税を目指しましょう。

年末調整で適用できる主な控除の種類

1. 基礎控除

所得に関係なく、すべての納税者に適用される「基礎控除」は、年末調整において最も基本的な控除です。令和2年度より基礎控除の金額が変更され、1年間で一人当たり48万円の控除を受けられるようになっています。

この控除は個人ごとに適用されるため、DINKsの場合、夫婦それぞれが適用されます。

基礎控除の詳細

  • 控除額:48万円
  • 適用条件:所得が2,400万円以下であること

2. 社会保険料控除

社会保険料控除は、健康保険料、年金保険料、介護保険料など、給与から天引きされている社会保険料を控除できる制度です。

支払った社会保険料の全額が控除対象となるため、収入が増えると支払う社会保険料も増える共働き夫婦にとっては特に重要な控除です。

3. 生命保険料控除

生命保険や介護医療保険、個人年金保険に加入している場合、支払った保険料の一部が控除される「生命保険料控除」も節税につながります。

生命保険控除には、平成24年1月1日以降に契約した「新制度」とそれ以前に契約した「旧制度」があり、それぞれで控除額が異なります。

新制度での控除額

  • 一般生命保険:最大4万円
  • 介護医療保険:最大4万円
  • 個人年金保険:最大4万円
  • 合計で最大12万円まで控除可能

旧制度での控除額

  • 一般生命保険:最大5万円
  • 個人年金保険:最大5万円
  • 合計で最大10万円まで控除可能

4. 地震保険料控除

地震保険に加入している場合、その保険料の一部が控除の対象となる「地震保険料控除」も利用できます。DINKsで共働きの夫婦の場合、保険料をそれぞれが負担している場合は、その分を申告することも可能です。

5. 住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)

DINKsで住宅を購入し、住宅ローンを組んでいる場合には「住宅ローン控除」が適用されます。これは住宅ローンを利用して住宅を購入した場合、一定期間にわたって所得税や住民税が控除される制度で、共働きの夫婦が「ペアローン」などで持分を分けてローンを組んでいる場合、それぞれが控除を受けられるメリットがあります。

DINKs・共働き夫婦におすすめの節税ポイント

配偶者控除・配偶者特別控除の検討

配偶者控除や配偶者特別控除は、配偶者の年収が103万円以下、または150万円以下であれば適用される控除です。

しかし、共働きでDINKsの夫婦は、双方が収入を得ているため、基本的には適用されないケースがほとんどです。ただし、一方がパートタイムや短時間勤務などで103万円以下の収入に抑えている場合には、配偶者控除の適用が可能になるため、年収調整も検討の余地があります。

医療費控除の活用

年間で合計10万円以上の医療費を支払った場合、その超過額が医療費控除として申告可能です。

DINKsや共働きの夫婦は、2人分の医療費を合算して控除を申告することができるため、医療費が多くかかった年には活用すると効果的です。

医療費控除の具体例

  • 支払額:年間で12万円の医療費を支払った場合
  • 控除額:12万円 – 10万円 = 2万円
  • 控除対象:医療費が超過した2万円部分を控除申請

ふるさと納税の活用

ふるさと納税は、自治体に寄付することで、住民税や所得税の控除が受けられる制度です。

共働きでそれぞれの所得がある場合には、夫婦それぞれがふるさと納税を行うことで、節税効果が倍増する可能性があります。また、控除上限額もそれぞれの収入に応じて設定されるため、賢く活用することでお得なお礼の品も受け取れます。

ふるさと納税の活用例

  • 収入に応じた控除上限額の計算:自分の年収に基づき、ふるさと納税の寄付可能額を確認して、無駄なく節税につなげましょう。

小規模企業共済やiDeCoでの資産形成と節税

個人型確定拠出年金(iDeCo)や小規模企業共済に加入することで、毎月の掛け金が所得控除の対象となります。DINKsで将来の資産形成を視野に入れる場合、iDeCoや小規模企業共済は、節税と老後資金の積み立てに役立つ選択肢です。

まとめ:共働きDINKs夫婦が年末調整を活用して賢く節税しよう

年末調整は面倒な手続きに思われがちですが、共働きDINKs夫婦にとっては節税の大きなチャンスです。控除制度を賢く活用することで、家庭全体での税負担を減らし、手取りを増やすことが可能です。年末調整を正しく理解し、住宅ローン控除や医療費控除、ふるさと納税など、利用可能な制度を最大限に活用して、家計の負担を減らしましょう。

共働きならではのメリットを活かし、賢い家計管理と税対策で、安心して未来の資産形成に励んでください。

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