ガソリン価格の高騰が続いており、多くの人々がいつになったら価格が下がるのか気になっています。この記事では、現在の状況と価格が下がる可能性について考察してみましょう。
ガソリン価格の現在の状況
2023年8月9日に発表されたデータによれば、ガソリンの店頭小売価格は12週連続で値上がりし、レギュラーガソリンの1リットルあたりの全国平均は180円を超えました。この価格は15年ぶりの高値となっており、価格高騰の影響は広範囲にわたることが伺えます。
価格高騰の主な要因は以下の3つです。
1. 原油価格の高騰
原油価格はガソリン価格に直接影響を与える最も重要な要因の一つです。
原油はガソリンの主要な原料であり、原油価格の変動がガソリン価格に波及します。2022年2月にウクライナ情勢が悪化したことにより、原油価格が急激に上昇しました。
その後もロシアの輸出規制やアメリカの好景気といった要因が、原油価格の高止まりを維持しています。
2. 為替の影響
日本の石油は主に輸入されており、その取引はドル建てで行われています。
円安傾向が続いていると、ドル建ての原油価格が日本円で上昇し、それがガソリン価格にも反映されます。為替相場の変動は、ガソリン価格における外部要因として大きな影響を持っています。
3. 政府の補助金制度の変更
政府は燃料油に対する補助金を導入しており、これは経済活動の支援として設けられました。
しかし、2023年6月から補助率を段階的に削減し、9月末には完全に終了する予定です。この補助金の削減は、価格上昇の一因となっています。補助金が減少することで、小売価格はそれだけ上昇することになります。
脱炭素政策の影響
現在の政府は環境問題への対応として「脱炭素」を推進しており、環境に悪影響を及ぼす排出物の削減を目指しています。
そのため、ガソリンといった石油製品への予算投入を削減する動きがあります。この方針により、石油価格の高騰と環境政策の整合性を図るため、政府は補助金の削減を進めていると考えられています。
価格下落の可能性と今後の予測
ガソリン価格の下落については専門家の意見もあります。
静岡経済研究所の恒友仁専務理事は、ガソリン価格の動向はアメリカと中国の経済動向に影響を受けると指摘しています。
アメリカ経済の減速が2024年に入ってから予測されており、原油需要の減少も同様の時期になると考えられています。したがって、ガソリン価格の下落は2023年のうちには叶わず、2024年に入ってからの可能性があるとされています。
ただし、価格下落には政治的な判断も影響を与える可能性があります。
岸田政権が内閣支持率を考慮するならば、補助金の延長の可能性もあるとされています。このような政治的な要因も価格の動向に影響を与えるため、注視が必要です。
まとめ
ガソリン価格の高騰は原油価格の高騰、為替の影響、政府の補助金制度変更などが複合的に作用しています。
価格下落にはアメリカと中国の経済動向や政治的な判断が影響する可能性があり、専門家の予測では2024年に入ってから価格が下がる可能性が示唆されています。
しかし、政治的な要因も考慮する必要があります。今後の動向に注目しつつ、ガソリン価格の変動に適切に対応していくことが重要です。
